神社情報

一、祭神　日本武尊　（相殿）素盞嗚尊、宇迦之御魂神　一、由緒　松原神社は近衛天皇久安年間（自１１４５年至１１５０）の勧請との伝あるも創祀の時期は不明。後醍醐天皇（自１３１８年至１３３９）の頃当所に真鶴が棲み、故に鶴の森明神と称していたともいうが、一説に当社は山王原村松原にあったとも言われ、後奈良天皇天文年間（自１５３２年至１５５４）、山王原村海中より金佛の十一面観音が松原に出現、託宣により当社へ祀ったことから神号を松原大明神と称したともいう。その後北条氏が小田原を治めるに至り、社領を寄進するなど代々当社を崇敬した。天文１４年（１５４５）３月、小田原海岸に現われた大亀を土地の者が当社の池に持参したところ、北条氏康これを開き、吉兆なりとて参詣、鏡を取寄せて亀の甲に置き、亀鏡は即ち目出度きいわれありと一門悉く招いて万歳の祝盃を給い、大亀を海へ放ちて後、同月２２日社前にて４座の太夫により法楽能七番、次いで泰平楽にて舞い納めしめたという。又、元亀３年（１５７２）５月には社中酒掃の掟書を出し、岡本越前守を検使として厳密な御沙汰があり、町方より百人の人出で境内の掃除に当ったという。寛永９年（１６３２）より稲葉氏、貞亨３年（１６８６）より大久保氏の領地となるも尊崇の念は変らず、社費は総て藩財を以てこれにあて、代々小田原の宿十九町の総鎮守とした。明治２年（１８６９）松原神社と改称し、明治６年１月県社に列せられ今日に至る。一、祭事　幾多の変遷あるも古くは多く正月１４・１５日を例祭とし９月９・１０日を小祭とし、明治４２年（１９０９）より正月１４・１５・１６日と定めたが、第二次大戦後再び変遷を繰返している。祭日には年番町を定めて当社の大御輿をかつぎ、浜下りの神事のあと各町を回り、各町また山車、屋台、御輿を出す。松原神社例祭は小田原最大の祭りとして知られ、山車で奏する小田原囃子は江戸葛西囃子の流れを汲むものとして氏子中古新宿に生れ広く近隣に囃され近年多古保存会が神奈川県無形文化財に指定されている。一、末社　境内に古くは１２社があったが、現在は住吉神社、鹿島神社、手置神社、稲荷神社、八幡神社の５社が祀られている。