神社情報
御創建の年月日は、詳ではないが、応永元年と云えば1394年であり今から約594年も前のことである。最乗寺の開基が1410年であるから縁起で解るようにその年代を溯っていることが推測できる理である。旧社格 従来、無格社であったが明治43年5月15日、村内にあった11社と三神を合祀されて村社と指定された。昭和28年12月28日、法人令による宗教法人「南足柄神社」として発足、現在に至っている。社号 神号を八幡または飯澤大明神と称して来たが明治6年7月、飯澤神社と改め合祀後南足柄神社と改称した。祭典 由緒等記録書がないので判明しないが、寛文元年は1661年であるから、舞殿は今から約324年前に御建造されていたことが推測されるので、神楽舞等が奉納されていたであろうことが考えられる。昭和25、6年頃までは地方芝居とう地元青年の協力により催され、また近年は3年毎、地元自治会の協力により花車とう繰出されている。例祭日は、合祀後4月15日と定められており祭典行事等、随事に実施されている。御社殿 本殿は一坪、幣殿は5坪、拝殿は十坪であり、本殿は寛文年間の建造と云われている。今の拝殿は合祀時、広町地区に祀られていた前、神明社の社殿を移築したものである。工作物 今までの舞殿は、以前の拝殿を使用して造ったものであるが、長年にわたり屋根の破損とうも見うけられ建造保存を考慮して、昭和59年4月8日、各崇敬者の奉加協力金により屋根の改築を実施したものである。(この改修金額は2075000余円である)鳥居は表参道に1基あり、昭和40年12月9日、木造を石造に変え再建されたものであり、高さ2間半、巾1間半であり(工費は418000余円である)東参道にも木造1基の鳥居があり、昭和53年5月14日、崇敬者の力添えにより再建された。(工費は432000余円である) 境内地 明治4年、上地令に基づいて官有地になったが昭和22年、法人令の改正と境内地保管林の処分法により同23年4月、譲与申請。同24年4月20日、譲与を受け、同25年5月24日、登記を完了する。登記は三筆からなっており総坪数は318坪6合7勺である。登記権利者として代表地番が、南足柄市飯沢字西海戸298番地である。境外地の処分と協力付記 明治43年5月、飯澤神社へ村内各社の神社を合祀された後も跡地はそのままになっていた。筆数は30筆であった。昭和32年2月、散在地の処理方法が、総代会の承認を経て左の方法で処理された。・散在地は神社へ寄附ねがうと共に(土地に見合った金額を応分に)所有権を関係地区に移すこと。右方法として昭和33年1月より同35年にかけ承継登記を申請した。飯澤区へかつて在住された「梶寿雄」氏が昭和31年から43年までの12年間総代として任期中率先境内地、整備推進のため努力を重ねられたことは社史の1頁として尊い事跡になっている。申請の手続きも難渋したが、最終的に昭和43年7月、完決を見ることになった。・散在地の処理は当初計画として樹立された「御神殿の改修、並び屋根を金板葺改修する」という考えに基づき毎年実施している定期積立金の基金となっている。縁起 神号は八幡であり、また飯澤大明神とも云われてきた。この八幡明神は旧郷社の足柄明神、箱根権現と共に最乗寺が開基されるとき、当時、了庵禅師の事業を助けた三守護神でもあり、同寺の貴い縁起として継承され境内へ三面神として奉斉祀し、祭経勤仕されている。神社の御創立は、新田義貞の臣、磯崎左京大夫の後裔が八幡大菩薩を勧請したのが始めであると云われている。寛文年間と言えば、1660年~1671年の間であり同元年から数えて既に324年を経ているが、当時、ご神殿の創始は現飯沢区の先住者が境内地にあった一本の楠の木で改築されたものであると信仰による貴重な口碑になっている。明治11年、飯澤山の用水口に祀られていた山神社、並びに飯澤西海戸に祀られていた熊野神社を当神社境内に遷されている。旧村内にあった無格社が合祀されたのは神社が国家神道として発足してより、太政官から発せられた当時の神祗令に基づくもので、祭祀励行の国是であった。勿論村民の合意と最乗寺住職、有田彦竜師の認諾があったことは云うまでもない。近年に至りこの意志を継承され境外地の処理をして財務の確立をはかると共に底流として持越された境内地の整備を32年より実施してまた境内中の雑木(主として樫)を入札、売却し現在の新樹植林をして、維持管理の基礎かためを計ったことである。この時、神殿の横に在った老松も古損木となったので処理されている。以来神社規則も昭和28年11月10日に定められて、宗教法人神社として発足し、旧南足柄区内氏子の敬神として例年祭祀が執行され、祭神合祀により足柄神社三番制の祭典には上、中、下を通じ、例年神輿出御の旅所として御立寄になられ、ここ数年来、新住宅の増加や大雄山最乗寺の道筋にもなっているので、参詣者も多く、保存会による足柄ばやし等祭事には奉納されて神恩感謝畏敬の誠が献げられている。
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