神社情報
「いとさかしき山(険しい山)をくだる。人の足もととどまりがたし、湯坂とぞいうなる」 鎌倉時代中期の歌人阿仏尼が「十六夜日記」に、こう記した山が、皆様が今立っている熊野神社の裏山、湯坂山です。「温泉の出る急坂の山」という意味でついた名でしょう。今もこの山の横穴から温泉がこんこんと湧き出ています。この地を湯本(元)というのも箱根で一番早く開けた温泉だからで、温泉は1200年も前の奈良時代に見つかったと伝えられています。鎌倉時代には、幕府の有力な武将も湯治にきており、戦国時代には、北條氏綱以下小田原北條の武将たちが、早雲寺に参詣のたびに温泉に浴したので「北條氏の足洗い湯」ともいわれてきました。このように早くから温泉場として開けてきたことから、温泉の神様として、紀州の熊野権現を勧請(分霊を祀る)し、湯場の鎮守として祀ってきたのです。江戸時代後期に書かれた「七湯の枝折」には、熊野を音読みにすると「ゆや」になるので、「ゆ(湯)や権現」として祀ったのであろうと書かれています。今も皆様の病気を癒してくれる温泉の神様として、地域の人たちの深い信仰を受け、昭和63年10月、新社殿が竣工しました。
御祭神
大己貴神(おおなむちのかみ)
熊野速玉神(くまののはやたまのかみ)
祭礼
9月9日
例祭(れいさい)
1月第2土曜日
年始祭(みとしはじめさい)
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